社会人入試

社会人のための大学入試

チャレンジしたい仕事のために再度大学を受験したい。高卒で就職したけれどやっぱり大学で勉強したい。生涯学習として教養を深めたい。そんな社会人の皆さんに門戸を開くのが大学の社会人特別選抜試験です。前職ではさまざまな事情で大学をめざしたい社会人の方々の受験指導も行ってきました。社会人の皆さんは、職種も社会経験もご家庭の事情もさまざまで、受験相談がいつのまにか人生相談になっていたなど、思う出話もたくさんあります。社会人入試のよもやま話にお付き合いください。

社会人入試とは

一口に社会人入試といっても、受験者も入学年次や試験制度も多種多様

私は35年にわたって、たくさんの社会人入試志望者を指導してきました。若い方では20歳くらいから、上は60代、70代の方まで、年齢はさまざまです。職種も会社員や公務員、教員や看護師、介護士その他の専門職の方、サービス業や運送業の方、農業に従事する方、自営業の方、それに主婦の方やフリーター、契約社員の方と、本当に多様です。目的や志望学部学科もそれぞれ異なりますし、受験する入学年次も大学1年、3年次編入、大学院と人によって違います。

社会人入試で一括りにするには難しい?

予備校で社会人入試コースの説明会を行ったとき、大学1年入学を志望する社会人の方を想定していました。大学院希望の社会人は大学院コース説明会で、編入希望の社会人は大学編入コース説明会で、対応していましたので。でも、実際は大学入学希望者だけではなく、大学院や3年次編入を希望する方もみえました。

受験する側には社会人だから社会人入試という思い込みがあります。しかし、入学する年次や大学か大学院かで受験生に求められるものは異なりますし、試験内容も変わってきます。ですから、大学1年次への入学希望者と大学院志望者を対象に一緒に説明することは困難です。社会人の場合は、個別相談で対応するのがベストだと思います。

これは最近の動向?

私は予備校で、およそ35年前におそらく全国でも初めて社会人入試コースを設置しました。当時は、社会人入試というと大学1年生から入学する試験でした。しかし、その後、大学院が社会人入試を積極的に行うようになりました。たとえば大学院教育で研究者養成と並んで、専門職養成、実務家養成が大きな目的になったり、生涯学習が盛んになる中で、社会人を対象とした夜間大学院を設置する大学も多数設置されています。並行して、大学2・3年次編入でも、社会人特別選抜を実施する大学学部がみられるようになりました。

その流れの中で大学院については受験資格が緩和されて、短大・高専・専門学校それに高校卒業者でも、受け入れてくれる大学院が増えてきました。つまり、短期大学や専門学校、高校を卒業した人には、大学1年入学、2・3年次編入、大学院と、選択肢があるわけです。

高校卒業で大学院へ進学ができる?

原則として23歳以上で社会人経験のある方で、大学側が大学卒業と同等の学力があると判断した場合に受験ができます。受験に際しては、出願期間よりも前に個別の事前資格審査があります。ただ、すべての大学院が行っているわけではありませんし、同じ大学内でも全ての研究科が受け入れているわけでもありません。情報収集が必要です。

どのようにして自分に適した進路を選べばよい?

社会人入試については、まずは情報を入手することが大切です。しかし、個人で必要な知識を網羅するのは大変です。そのために、専門家を活用することをお勧めします。たとえば、私が受験をサポートさせていただくときは次のような流れになります。

社会人といっても、年齢や学歴、大学に求めることはさまざまです。まずは、ご希望や目的をじっくり伺います。その上で、私からは、おひとりお一人に適した進路をアドバイスいたします。社会人経験が長く、学びたいことも自身の経歴に関連した専門的なことであるときは、短大卒や専門学校卒の方、高校卒業の方にも、大学院という選択肢をお勧めすることがあります。逆に大学院受験を考えて相談に来た方でも、時間をかけて様々な学問分野に触れることが目的であれば、3年次編入や大学1年からの入学が適しているとお話しすることがあります。また、短期大学卒業でもっと上の資格がほしいと希望されている方には、編入と大学院の両方を説明します。

看護師などの職業に就くことを希望されている場合は、大学卒業の方には学士編入という道があることをお伝えしつつ、大学あるいは専門学校1年からの入学についてもお話しします。大学と専門学校の違いなどについても説明しています。

このように、どのような進路が可能か、どういう試験制度があるのか、情報を私から提供します。漠然とした知識でご相談に来る方も多いですし、逆に高校卒業の方は内心大学院と思っていても、なかなか言い出せないようですが、私からお話しすることで安心してご相談いただけるようです。

以前と変わったこと

大学1年からの進学を志望する方が減って、大学院志望の方が増えたことでしょうか。

高校卒業で20代、30代の方には、この不景気の中で4年間、大学に行くのは経済的に厳しいかもしれません。残念ですが夜間部のある大学もわずかになりました。かつては、働きながら夜間部に行きたいという若い社会人の方が多く来て下さいましたが、今は、大学1年からの入学については、大学進学するだけの経済的基盤がある主婦の方が目立ちます。

どういう進学が望ましい?

進学の目的は人それぞれですし、それでよいと思っていますから、特にこういうかたちが望ましいということはありません。極端に言えば、学歴がほしいが理由であっても、それがその方の人生にとって必要なことでしたら、私はおおいに社会人入試の制度を利用してほしいと思っています。日本がまだまだ学歴社会であることは事実ですから。

ただ、今の時代、大学の4年間はちょっと長いかなとは感じています。在学中に経済状況が悪化することもありますし、介護の問題が起きることもあります。転勤、自身の病気、家族の問題など、いろいろなケースが考えられます。

大学院は2年間ですし、履修する単位も大学が4年で124単位以上なのに比べて、大学院は31単位以上です。それに、社会人を多く受け入れているところは平日の夜間と土曜日でカリキュラムを組んでいます。2年間の学費で3年在学できる長期履修制度のある大学院も増えています。自分が関心を持っていることにピンポイントで取り組めるところも魅力です。それに、さまざまな背景を持つ社会人学生同士の交流で得られるものも多いでしょう。

そういう現実的なところは大学院の魅力です。大学院修了者はまだまだ少ないので、社会的ステータスもありますし、法政大学大学院や立教大学大学院に高校卒業の社会人を過去に受け入れてくれた研究科があります。学士であれば東大・早慶上智・マーチへの入学も、大学の一般入試より合格の可能性がずっと高いです。

一方、大学の魅力はさまざまな学習や活動ができるところです。経済面、家庭の理解などがあり、時間をとられるような問題がなくて、好奇心が旺盛であれば、ぜひ、大学1年からの進学をお勧めしたいところです。

まずは相談を。

合格した方にいつ進学を決意したのかと聞いたところ、予備校で私と話をした時…と言われて、ビックリすると同時に責任の重さも感じました。大学がどういうところかイメージできない方、自分がやりたいことを実現するためにはどうすればよいのか知りたい方も含めて、気軽にご相談ください。よい話だけではなく、厳しいところも含めて率直に、私が持っている知識を提供したいと思います。

ただし、一般入試で東京大学に行きたいなどの相談があった場合は、それは難しいときちんと申し上げますので、その点はあらかじめご了承ください。

大学1年から入学する社会人入試

学部1年次へ入学する社会人入試の現状

ピークはバブルの頃でした。働きながら夜間部をめざす20代の方、知名度の高い昼間の大学を希望する専業主婦の方など、多くの受験生がいました。バブル崩壊後は、志望者は年々減少を続けてきました。今はどこの大学の受験者数を見ても、本当に少ないですね。かつて、社会人入試を実施していた大学の中には、すでに募集を中止しているところも結構あります。

どういう理由?

不景気が長引き、経済的に大学に4年間通学するのは容易ではないのが現状です。たとえ夜間部でも、働きながら大学に通うことは困難を伴います。それに、今は経済的にゆとりがあっても、将来のことを考えると不安もあります。リストラや介護など、予期せぬことが起きる可能性も否めません。東日本大震災は特に大きな出来事だったと思います。

次に、有名大学がすべて夜間部(2部)を廃止した影響もあります。早稲田、明治、法政、青山学院など。現在、夜間部で社会人入試を実施している都心の大学は、東洋、専修、日大(法学部法律学科、)、東京理科大などで、学部系統も理系の理科大を除くと経済系や法学系などに限定されています。

しかしそれだけに、希望すればチャンスがあると言えるでしょう。

受験資格は?

大学受験資格を持っていることが基本です。高卒認定でももちろん大丈夫です。その上で、年齢と実務経験ですね。いずれか一つだけ規定されていることが多いです。また、年齢が若い場合だけ、在職中かどうかが問われることもあります。一般的に昼間の大学は年齢のみ規定することが多いですね。仕事しながら続けることはできませんし。

年齢はどのように規定されている?

大学に入学する年の4月1日現在で満23歳以上であることなど。ただし、入学年の3月31日や出願時の年齢を基準にすることもありますので、注意が必要です。それから年齢は大学によりバラバラで、同じ大学でも学部学科で異なることもあります。中には30歳以上とすることもあります。

実務経験は?

実務経験3年以上とかですね。実務経験を規定する場合、大学によっては在職経験を証明しなければいけないこともあります。例えば千葉大学看護学部は実務経験4年以上が受験資格で、入学手続きには在職証明書が必要です。他に在職中が条件のケースや推薦書を必要とするケースもあります。試験要項はしっかり確認する必要がありますね。

専業主婦や自営業の方、アルバイトやパートの場合は?

これも大学学部によって対応はさまざまです。専業主婦やパート・アルバイトを実務経験と認めるところもありますし、勤務先の在職証明書がないと受験できないところもあります。就いている仕事の内容によっては、試験要項を見てもわからないことがあるので、最終的には大学ごとに問い合わせることになります。

実務経験はいくつかの勤務先の合計でよい?

大丈夫です。合計して必要な年数を満たせばよいということです。ただ、在職証明書が必要な場合は、それぞれからもらうことになります。 

他に受験資格で注意することは?

最近、出願時に語学検定のスコアなどを提出させるところが目立つようになりました。語学検定にはTOEFL、TOEIC、実用英語検定などがありますが、大学によって、3つから選択できたり、TOEFL指定であったりと異なります。また、それぞれの試験で基準、例えばTOEIC500点以上とあって、それをクリアできないと受験できないケース、スコアを提出させて100点満点に換算するケースなど、大学によって利用の方法が違います。

どのような大学がある?

たとえば早稲田大学政治経済学部ではTOEFLかIELTS、東京都立大学人文社会学部、健康福祉学部の看護・作業療法ではTOEFLのスコア提出が必要です。その他、横浜国立大学経営学部夜間主コースはTOEICとTOEFL、上智大学総合人間科学部看護学科は英検、TOEIC、TOEFLなど、です。また、日本女子大は英文学科のみ、受験資格に語学検定に関する条件があるなど、同じ大学でも学部学科で異なることがあります。

それから、先ほどの東京都立大と上智の看護ですが、実は大学卒業者を対象としています。本当にまれなケースですが、こういうこともありますので、試験要項はしっかり確認してください。

社会人入試の試験内容は?

小論文と面接が基本です。英語は課さない大学が増えています。ただし、一定のレベル以上の大学は、入学後に英語の単位を取ることもあって、英語も課すことがあります。先ほど述べたように、語学検定のスコアなどの提出を求めるところも増えています。また、試験に英語がなくても、入学後を考えて勉強しておくという方も多いです。他には理系の学部などで数学・化学などが、一般入試と同様に課されることがあります。たとえば薬学部の社会人入試などでは、英語・数学・化学・小論文と一般入試と変わらない試験科目になることが多いです。

加えて要注意なのは地方の国立大学の場合で、高校生対象の推薦入試と同じ日に高校生と同じ試験問題で試験を行うことがあります。このケースでは英語や理数科目などが出題されやすくなります。

小論文はどのようなもの?

受験する学部学科によって、傾向があります。たとえば、経済学部や経営学部でしたら、経済経営に関連した時事問題を出題することが多くなります。ですから、今話題のトピックについて一定の知識を持っていることが求められます。

文学部などでは日本語の課題文を出題することが多くなりますが、課題文が英文で、英語を読解できないと対応できないケースもあります。

理系学部では、たとえば電気通信大学の試験は高校生の推薦入試と同じ問題ですが、小論文という試験科目でありながら、実際は理数科目の知識が必要です。いわゆる小論文のつもりでいると対策が全く異なります。

看護などの学部では、看護師としての資質を見るような出題と健康や人間の幸福に関連した出題が多いです。具体的には、人と触れあうことに関しての課題文を読んで、要約の上、自分の考えを経験をあげながら述べるなど。それに、資料分析も多いですね。たとえば先進国の自殺数などのグラフがあって、読みとりの上、意見を述べるなどです。    いずれにしても過去問題のチェックは絶対に必要ですね。見当違いの対策を立ててしまう可能性があります。

面接の比重は?

社会人入試では大きいと思います。事前に志望理由書を提出させることが多いので、それをきちんと作成するところから面接対策は始まっていると言えます。社会人としてなぜ大学に進学を希望するのか。これについて、学歴がほしいとかではなく、あくまで大学での学習と関連づけて説明することが大切です。特に大事なのは、なぜ、その学科・専攻なのかです。早稲田に行きたいと書くのではなく、こういうことを学習・研究したい、それにあたって早稲田を選択したのは…という流れになりますね。カリキュラムやシラバスなどをしっかり調べることが大切です。大学側が望んでいるのはどのような社会人学生か、そこをきちんと押さえましょう。

そのほかに面接で注意することは?

大学側は、若い学生とコミュニケーションをとれるか、経済的な基盤はあるのか、なども気にします。面接官が不安を感じないように受け答えすることが大切です。以前、英語が試験にないケースの面接で「英語は大丈夫か」と聞かれ、「予備校で勉強していますから大丈夫です」と答えればよいところを、つい、謙遜して「自信がありません」と答えたところ、「うちは英語ができないと駄目ですから」と言われて不合格になったケースがありました。面接官はそのまま受け止めますから、変に遠慮をしないことですね。

大学に1年から入学を希望する方の.進学目的や人気の学部系統は?

当然ですが、まず、大学で勉強したいということです。仕事に関連した勉強を望む方が多いですね。たとえば経済・経営系や法学部。また資格取得や就職に繋がる心理学や社会福祉学、看護学、医療系学部も人気です。その他、ご自分の趣味や関心のある分野ですね。たとえば英語、文学、歴史。

もう一つの目的は学歴です。高校卒業では社内での扱いが低い、同じ仕事でも大卒の方が給料がいい、昇進の問題など不利な状況を変えたいなど。それに最近では、高校を中退して高卒認定を取ったとか、高校卒業時に一般入試に失敗してしまい、いったんは進学を諦めて、就職したり非常勤で働いているけれど、やはり大学に行きたい…という方が相談にみえるようになりました。あるいは、起業して仕事では成功しているけれども学歴が納得できないという40代以降の年齢層の方もいます。そういう意味では進学動機は多様化していますね。

一般入試と社会人入試を比較すると。

社会人入試の方が当然楽だと思います。社会人経験が評価され小論文、面接のみで受験できるので。一般入試は、英・国・社など複数の教科が出題されますし、社会人が受験できるAO入試もありますが、難関・人気私大は何かの全国コンクールで受賞したとか、アピールできる実績が必要です。それを考えると社会人入試を利用できればそれが一番です。

社会人入試の難易度や倍率は?

若干名での募集が多くて、この場合は、最初から何名合格させる…ではなく、試験結果次第で合格か不合格かが決定されます。一定レベルの学力と熱意、明確な目的意識を示せれば合格の可能性は高くなります。5名受験して合格者がゼロだから受からない…のではなく、その受験生がどれくらい準備し受験したかが大事です。倍率など数字のみで難易度の判断はできません。それから英語を課す大学では、英語が重視されているわけですから、最低でも英語で6割以上、できれば7割以上取らないと、合格は難しくなります。中ゼミ生でも、面接で「意欲は認めるけれどもうちは英語ができないと合格できない」と言われた人がいます。

他に社会人が大学卒業資格を得る道は?

放送大学や通信制大学を利用して大学を卒業するケースもあります。また、短大や専門学校を卒業している場合は、独立行政法人大学評価・学位授与機構で学士号を取得する方もいます。いずれも学費は安く済みますが、社会的な評価という点では、どうしても通学と同じというわけにはいかない面があります。また、通信は自分で答案を出さないといけないので、入学はしたけれども、全く単位を取れずに終わることがあります。やはり通学したほうが単位取得は楽なようです。

知っておいてほしいこと

大学1年からの社会人入試では、合格することよりも卒業することの方が、難しいかもしれません。そこはあらかじめ覚悟しておいてほしいと思います。ここでは学業の面からお話しします。かつて、小論文・面接のみの大学に合格して進学した元生徒から、試験にはないのに、入学したら英語の単位を取らなければならないなんておかしいと、言われたことがあります。進学後は一般入試で入学した現役生と同じ勉強をすることになります。

社会人だからと免除されることはありません。特に理系大学は、高校での理数科目を土台とした授業が多くなります。面接だけで受験できる理系大学に進学はしたものの、授業についていけず、退学してしまうケースもあります。大学ではどのような勉強をすることになるのか、あらかじめしっかりリサーチしておく必要があります。

また、大学ではグループでの作業も多くなりますが、若い学生とうまくいかずに不満を抱く社会人学生もいます。気持ちを切り替えて付き合っていくことが大切です。

社会人編入

社会人編入については、大学編入に関するページにも詳細を掲載しています。あわせてご覧下さい。

社会人編入の現状は?

社会人編入は、大学・短大・専門学校・高等専門学校などを卒業した社会人を対象としています。出身校での取得単位を認定されることで大学3年次または2年次に入学できる試験です。

残念なことに、1年から入学する社会人入試に比べると実施大学は少数です。また、小論文・面接や口頭試問だけで受けられるところもありますが、大学生や短大生が主な受験者である一般編入と試験問題が同一で、英語・専門科目を課されることも多く、社会人向けの試験であるメリットが、1年から入学する社会人入試より少ないと言えます。ですから確実に合格するために一般編入との併願をお勧めすることもあります。

メリットは、学部1年からの入学に比べて卒業までの年数や学費などの負担が減ることですね。

専門科目とはどういうものですか?

法学部なら法学、経済学部なら経済学など、学部1・2年の専門基礎について知識があるか確認されます。

受験資格について教えてください。

多くの場合、社会人入試と同様に年齢や実務経験などで条件がつきます。大学を中退している方も、一定の単位数を履修済みであれば、受験できることがあります。2年以上在籍し退学している場合は、62単位以上取得済みを条件とするケースが多くなります。

以上の条件は、同じ大学内でも学部ごとに異なるため、情報収集が重要といえます。

どの資格で受験するかで有利不利はありますか?

合否にあたっての有利不利はありませんが、専門学校修了の場合、東京では受験できる大学が少数です。また、専門学校の種類によっては認定単位が少ないなどのネックもあります。さらに、これは一般編入でも同じですが、出身の学部学科と全く異なる専攻に編入する場合は、編入年次が2年次になったり、認定単位が少ないために卒業に3年かかるケースがあります。

短大卒の方の相談では、社会人入試、編入のどちらを勧めますか?

進学目的や志望校のレベル、志望の学部・学科などをお伺いして、1年生からだとこういう大学、3年次編入であればこういう大学など、具体的な選択肢を提示し、どちらがどの程度入りやすいかご説明します。学力に自信がある方なら編入をお勧めします。学費2年分で済むか否かは大きいですから。

ただ、最終的な選択はあくまでご本人です。大学卒業者でも1年次入学を希望される方もいます。中ゼミに在籍された方の中には、文系の大学を卒業し、社会人入試で理系大学へ1年生から入学された方もいました。理系の勉強に基礎から取り組みたいという目的がありましたので、1年次からの進学をご本人が選択しました。他にご自身の基礎学力を考慮し、1年次を選択する方もいます。また、複数の外国語や一般教養を勉強するために1年次入学を選ぶ方もいます。

非大卒の大学院進学

非大卒の大学院進学とは

それ以外に、お勧めするとすれば、大学院入試です。在籍年数、取得単位数を考慮すると、4年かかる社会人入試や単位数の多い編入は厳しい方が多くなっています。やりたいことが明確でピンポイントに研究テーマと各院研究科のカリキュラムが合致すれば、資格審査を経ての大学院入試をお勧めします。

高卒や短大卒、つまり大卒でなくても、22歳以上なら資格審査を経て受験できる院がありますので。

社会人にとって4年は長い気もします。何があるか分からないですし、学費も2年分と4年分では負担が違います。立教、法政、明治などの院に資格審査を受けることのできる研究科があり、夜間に学べる院があるのも魅力です。

立教大学を例にあげてみましょう。社会人入試は、埼玉の新座にある現代心理学部、スポーツウエルネス学部のみで実施されています。また、いずれの学部も英語資格・検定試験のスコア提出が必須です。それに面接、スポーツウエルネス学部の場合は加えて小論文が課されます。一方、大学院なら池袋キャンパスで夜間に通えて、英語力を試験で問われない研究科があります。むしろ院のほうが合格しやすく希望に沿うケースが増えています。大学1年生からなら、10代の現役学生の中に社会人は自分だけなど不安もあるのに対し、院で夜間なら社会人学生が多い安心感もあります。とはいえ50代で大学1年生から入学、サークルに入り、子どもと同世代学生と楽しい生活を送っている学生もあるので一概には言えませんが。

社会人が大学進学を考えた時、高卒や短大卒だから社会人入試、編入と限定されず、進学目的や状況に応じ多様な選択肢があることが一番重要だと思います。